東京タワーを背景とする増上寺。江戸初期造営で東日本最大級を誇るという朱漆塗の三門が有名ですが、その門前町として発展した芝大門に2016 年 3月開業したのが「日本酒専門店 萬亮」です。
オーナーの稲村亮太氏は現在32 歳。大学時代のアルバイト先であったサプリメントなどを販売するショップの販売員の仕事を卒業後も社員として続けるうちに接客の喜びを見出し、また、プライベートでは日本酒が好きで飲み歩いていたため、日本酒を主体とした店を開くことを考えるようになったそうです。
「日本酒に力を入れている和食店に入って2年半サービスを経験し、その間に唎酒師の資格を取りました。
きちんと日本酒を勉強したかったのと、お客様に対して話のネタになると思ったので。
その後、別の店で3年働き、開業の立ち上げに関わる ことで経営についても学ぶことができました」 と稲村氏。
“20 代で独立”を目標とし、港区と中央区にしぼって物件を1年かけて 探したそうです。
今の物件に決めた理由は、地下1階なので路面店に比べれば賃料が抑えられ、なおかつ16.5 坪と広いこと、都営大江戸線・浅草線の大門駅から徒歩 3分、三田線御成門駅やJR 浜松町駅にも近いアクセスの良さや、目と鼻の先に 芝パークホテルがあることなど。
自己資金と日本政策金融公庫に借り入れを合わせ、 目標通り29歳でオープンにこぎ着けました。
アイボリーと木目のシンプルな内装でひときわ目を引くのが、壁一面の冷蔵ケース。
店名の頭に「日本酒専門店」を掲げる通り、並んでいるのはすべて日本酒で、47都道府県から集め、およそ250種あるというから驚きです。