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いよいよ師走に入って、お歳暮を用意する季節になったのぉ。お歳暮は、そもそも「正月に先祖の霊を迎える御魂(みたま)祭りの供え物を、暮れのうちに本家に届ける風習」だったんじゃ。現在のように、お世話になった方へ感謝の気持ちを示すために贈るようになったのは明治30年頃からなのじゃよ。冬なので鍋用の海産物や正月に大人数で食べられるハム類などが定番となるんじゃが、日本酒需要が高いこともお歳暮ならではの特徴じゃ。
日本酒は古来より、宮中行事や農耕儀礼などの際、神に捧げる御神酒(おみき)や、神の御前で飲食を分かち合う直会(なおらい)など、神事に欠かすことのできない存在じゃった。そして食文化が発展していくと、酒を介した儀礼や酒杯のやりとりを通じた文化も形作られていく中で、「ハレの日の酒」「祝い事の酒」として庶民にも浸透していった。この事から、お世話になった方へ感謝の気持ちを込めた贈り物として日本酒が選ばれるようになったのじゃよ。
ここではお歳暮にぴったりの日本酒を紹介しようぞ。例えば、金粉入りの日本酒。次に、「寿」「福」「鶴」といった、おめでたい漢字の入る銘柄。見るだけでめでたさを感じさせてくれるぞい。次に、贈る人の出身地の地酒などもええじゃろう。縁やゆかりのある日本酒ならば温かな思いも伝わりやすいじゃろう。
以下におめでたさを感じるネーミングの日本酒をいくつか紹介するので、参考にしてみておくれ。◇千歳鶴 / 日本清酒株式会社◇大褒寿 / 小西酒造株式会社◇瑞兆 / 沢の鶴株式会社◇祝 / 玉乃光酒造株式会社◇旭鶴亀 / 株式会社杜の蔵◇開運 / 株式会社 土井酒造場◇福千歳 / 田嶋酒造株式会社◇来福 / 来福酒造株式会社◇松竹梅 / 宝酒造株式会社◇富久錦 / 富久錦株式会社◇初日の出 / 羽田酒造有限会社
今年はコロナ禍で会いに行けない場合も多かろうが、お歳暮に日本酒を贈ることで感謝の気持ちを伝えようぞ!
【参考】・『新訂日本酒の基』(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)・語源由来辞典 http://gogen-allguide.com/o/oseibo.html・SAKETIMES https://jp.sake-times.com/special/recommend/sake_happy_name・月桂冠「知る・学ぶお酒の博物誌」 https://www.gekkeikan.co.jp/enjoy/index.html
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