【日本酒の造り方 その3】上槽から瓶詰めまで

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醪の完成とともに発酵は終了し、製品化に向けての仕上げをします。酒を搾る作業を「上槽」といい、続いて「滓引き」「濾過」「火入れ」と続きます。それぞれの工程は製品の名称やラベルの記載にも関わりがあります。

上槽

醪を液体と固体(酒粕)に分離する工程を「上槽」と呼びます。
上槽時、最初に出てくる液体部分は「あらばしり」と呼ばれます。次に出てくる部分は「中取り」「中汲み」などと呼ばれます。また、「袋吊り」と呼ばれる搾り方もあります。「雫酒」や「斗瓶囲い」とも呼ばれます。上槽時に、白濁部分を残したものは「にごり酒」と呼ばれます。

袋吊りで搾った液体の酸化を防ぐために斗瓶に採集します
袋吊りの様子

滓(おり)引き、濾過、火入れ(1回目)

●滓引き
上槽後は、液体に残る微量な成分を沈殿させるため、タンク内にしばらく置いておきます。沈殿したものは「滓」と呼ばれ、旨味成分などを多く含みます。この部分だけを抽出した「滓酒」や、滓部分を少し混ぜた「滓がらみ」などがあります。
●濾過
残った固形物などを除去するため、濾過作業が行われます。濾過を行わないものは「無濾過」と表記されます。

●火入れ(1回目)
タンクまたは瓶に詰めた状態で、60〜65℃位の温度で10分位加熱し、有害な微生物の殺菌をします。この工程を火入れと呼びます(火入れを行わない場合もあります)。

通常の火入れの様子

貯蔵、調合(ブレンド)、割水、火入れ(2回目)

●貯蔵
酒質をまろやかにするために、数週間から1年以上貯蔵します。貯蔵期間をおかずに出荷されるものは「新酒」「しぼりたて」などと記載され、新鮮な風味とキリリとした味わいが持ち味です。杉の木樽で貯蔵されたものは「樽酒」と呼ばれ、杉の木の爽やかな香りが特徴です。
●調合(ブレンド)
品質を一定化するために、タンク内の日本酒を調合(ブレンド)します。
●割水
仕込み水を加えてアルコール度数を15〜16%に調整する作業が割水です。割水をしない製品は「原酒」と表記されます。
●火入れ(2回目)
通常は、瓶詰め直前に2回目の火入れが行われます。
●瓶詰め
最後に瓶に詰めて、ラベルなどを貼付して出荷できる状態に仕上げます。

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