~日本酒を使った手軽なおつまみ&スイーツとのペアリングを活用した具体的な販売促進施策の提言~

SSIでは、「SSI創立30周年記念事業」の一環として、東洋大学国際観光学部国際観光学科 飯嶋 好彦教授ゼミナールと連携し、「若年層を対象とした日本酒の販売促進方法を探る」研究を実施する事といたしました。

本プロジェクトは、日本酒愛好家ではない若年消費者層に向け、「日本酒を飲んでみたい」と思ってもらえるような、日本酒とおつまみ、スイーツのペアリングによる販売促進施策について、約半年間をかけ研究を行っていきます。
SSIは、連携する飯嶋 好彦教授ゼミナールに所属する学生に、本研究に必要となる日本酒の基礎をレクチャーいたします。所属学生は日本酒の基礎を学んだ後に、日本酒と日本酒を使ったスイーツのペアリングを活用した販売促進方法を研究していきます。SSIでは、所属学生の研究内容をもとに、日本酒に触れる機会の少ない若年層へ向けた有効な販売促進となる具体的な施策の検討を行います。

次世代を担う若い方々に、どう日本酒の魅力を伝えていくか。これは当会を含めた日本酒業界の抱える大きな課題です。

飯嶋 好彦教授ゼミナールの学生の皆さまと連携しながら、当会30年の経験、ノウハウを駆使して、「日本酒を次世代へ、つなぐ」活動を行ってまいります。

経過報告

本事業は学生および関係各位の安全と健康を最優先し、非対面式(オンラインミーティング)にて実施いたします。

第1回:2020年10月13日(火)10時40分~12時10分
内容:学生の皆さまへ日本酒の基礎をレクチャー

まずは、日本酒に親しみのない学生の皆さまへ「日本酒」を知っていただくための基礎講座を実施致しました。当会の企画監修書籍『酒仙人直伝 よくわかる日本酒』の内容にそって、日本酒の定義、歴史や製造方法等の基礎を学生の皆さまに学んでいただきました。
また、「なぜ日本酒が飲まれないのか?」について、また本事業の目的である「日本酒が飲まれる、選ばれるためにはどうしたらよいのか?」について考えていただくために、「日本酒の昔と今」のイメージを日本酒のラベルや各種イベント写真を比較しながら、日本酒の国内消費や輸出量といったデータを用いて現状を学んでいただきました。

オンラインミーティングの様子

第2回:2020年10月27日(火)10時40分~12時10分
内容:学生の皆さまへ日本酒のテイスティング方法をレクチャー

日本酒ビギナーの不満の多くは、味わいや香りなどのお店からの提案を求めるものが多数です。またお酒の味わいはラベルからは読み取れないことが多いのが現状です。今回は、前回に引き続き日本酒の基礎講座ということで、上記のような現状の問題点を解決する、当会が考案した日本酒のビギナーにも分かりやすい画期的な日本酒の分類方法、「香味特性別分類(4タイプ)」を学生の皆さまに学んでいただきました。お酒をただ飲むのではなく、日本酒の特性を把握するための目的に沿った「テイスティング」の方法をレクチャーいたしました。
4タイプ別の適した飲用温度や酒器、合わせる料理等といった日本酒の提供販売従事者が身に付けるべき基礎知識を活用して、今後学生の皆さんには「若年層を対象とした日本酒の販売促進方法」について具体的に研究していただきます。

当会が考案した「香味特性別分類(4タイプ)」

第3回:2020年12月8日(火)10時40分~12時10分
内容:経過発表会

第1回、第2回で学んだ基礎をベースに研究を実施した成果の経過報告会を実施致しました。学生の皆さまは全4チームに分かれての研究発表となりました。
各チームは薫酒や爽酒といった香味特性別分類(4タイプ)から1種類のお酒を選び、若年層が好むスイーツとのペアリング検証の結果や日本酒を使ったシーツ開発等の研究経過が報告されました。当会役員および研究室長が聴講し、相性体験についての総評や周知拡散方法についてのアドバイスを実施致しました。
学生からは、若者への周知・拡散方法に関しては、InstagramといったSNS活用や、若者に人気の飲食店に商品として加えてもらう等のアイディアの発表がありましたが、当会からは、単純な広告だけでなく周知・拡散方法について、より深くまで考えてほしいとの観点から、周知・拡散、販売方法のストーリー作りを念頭に再考してほしい事を要望致しました。
次回は、周知・拡散方法を含めた最終発表を実施致します。

オンライン発表会の様子

第4回:2021年1月26日(火)10時40分~12時10分
内容:経過発表会2

前回に引き続き、それぞれのチームで考案した「若年層が好むスイーツとのペアリング」の内容及び周知・拡散方法に関する第2回の発表を行いました。
スイーツと日本酒の組み合わせの考案では、独自でターゲット層の意識調査を行われ、「日本酒の飲酒頻度が低い」、「日本酒に対しての苦手意識がある」といった大多数の日本酒に対する負のイメージがあるという回答がありました。その結果を踏まえ、その負のイメージを払拭して興味を持っていただけるような「日本酒サングリアと季節のコンポートフルーツクッキー」といったフルーツとフルーツの食べ合わせで美容効果を訴求する、モンブランのチョコ包みに熱燗を垂らして演出をする、といった若者ならではの興味深い発想の内容でした。

また、ターゲットとなる若年層が料理や飲食店などを決める際のツールの調査を行い、それをベースとした周知方法や拡散方法などを報告いただきました。Instagramやtwitterをグルメサイトの様々な機能を用いて、こちらが前回要望いたしました「ストーリー」がわかる内容となっており、大変満足のいくものでした。

オンライン発表会の様子