水溶液は、日本酒を構成する味の要素を「甘味」「酸味」「苦味」「旨味」などのジャンルごとに分けて、トレーニングを行います。同じ甘味でも、ワインの原料である葡萄などの果実由来の「果糖」と、日本酒の原料であるお米(でんぷん)由来の「ブドウ糖」では、甘味の質が異なります。同様に、同じ酸味でも「乳酸」は穏やかな酸味なのに対して、「酒石酸」は刺激性が高く爽やかな酸味であるなど、その性質は異なります。ここでは、味わいの基本要素をしっかりと覚えるとともに、それぞれの要素の特徴を脳に記憶させます。そのほかに、「軟水」や「硬水」の比較で、水の硬度によって異なるテクスチャーの違い、アルコールの度数による「苦み」「物理的な刺激」「粘性」などの違いなども確認します。
このような嗅覚や味覚の基礎トレーニングの積み重ねは、テイスティングの能力を高める上で非常に重要な役割を担います。