花輪 明香 さん(吉乃坐)

この記事を読むのに必要な時間は約 2 分48秒です。

1980年山形県生まれ。
美容業やマネジメント業を経て、2013 年より「吉乃坐 」の女将を務める。
2019年に唎酒師の資格を取得。

食を通して旅気分を味わう“地のもの酒処”

モダンな飲食店がひしめく恵比寿エリア。2010 年開業の「吉乃坐」は恵比寿駅より徒歩 6 分、広尾駅より 8 分、大通りから1 本入った露地の 1 階にあります。入り口すぐ横には個室、メインの客席は一列に奥へと長く続き、その対面にはオーブンキッチンのカウンター席。木目調で、浜松の染色家 山内武志氏による座布団やガラス作家の田井将博氏のペンダントライト、小鹿田焼の器などが温かみを醸し出しています。

店主で調理を担当するのは花輪成昭氏。1974 年熊本県生まれで、都内の和食店で経験を積みました。サービスを担当するのは、妻で山形県出身の明香さん。和食店のアルバイトで成昭氏と出会い、その後は美容師となり、マネジメント業務なども務めていました。開店当初は女将になるつもりではなかったそうですが、より上質な和食とお酒を提供していく方向を目指すにあたり、サービスもアルバイト任せではなく、’13 年から店に立つようになりました。

自分自身のスキルアップのために唎酒師の資格を取得した明香さん。ゆくゆくは故郷にも店を開くのが夢で、その際に資格が役立つのではないかとの考えもあったそうです。

「私は飲食のプロではありませんでしたが、お酒全般が好きで、休日は二人で食べ歩きをしていたのと、接客自体は慣れていましたので。故郷である月山の麓、西川町の町おこし活動に関わっているため、当店でも積極的に地元食材を使っています」

店のキャッチコピーは“地のもの酒処”。熊本と山形を軸に、日本各地の地のものと地酒を提供することで、旅するように楽しんでほしい、栄養価の高い旬の食材で英気を養ってほしいとの思いがあります。

日本酒、焼酎、日本ワインの 3 本立てで魅力を啓発。

料理のお品書きは日替わりで成昭氏による手書き。一品一品に素材の産地名が記されており、熊本は馬肉と天草の鮮魚が定番。他にも、阿蘇のあか牛や天草の晩柑、塩トマト、タケノコ、赤茄子、栗など。山形は月山筍をはじめとする天然の山菜各種、さくらんぼ、洋梨、キノコ、サトイモなど。酒の肴では、熊本の豆腐の味噌漬け「豆酩(とうべい)」もあれば、山形の「雪割納豆」や「おみ漬け」もあり。
米は白飯で食すなら山形のつや姫がおすすめですが、締めの具材入り土鍋ご飯には熊本の森のくまさんが向いているとのこと。

 客層は 20 代後半~60 代で、接待利用、地元住民、土曜日は地方から東京に遊びに来たカップルやファミリーなど幅広いそうです。
 日本酒は 1 合 1,000 円前後で半合グラスもあり、定番と季節ものを合わせ約20種。焼酎は約 20 種 550~900円。日本ワインは約 10 種でボトル 4,000円台が中心。
「オーダー比率は日本酒と焼酎で 7 割、日本ワインが 2 割、その他 1 割といったところでしょうか。あまりにも有名な銘柄は避けて、食中酒向きのものをリストしています。海外のワインには詳しいけれど、山形や熊本にワイナリーがあるなんて知らなかったという方が多いので、もっと啓発に力を入れていきたいですね」

恵比寿 吉乃坐

東京都渋谷区恵比寿 4-24-4 キエイビル 1F
☎︎ 03-5793-5776
URL:http://kichinoza.jp
日・第 1月休 
平日 18:00~24:00(L.O. 料理 22:30 ドリンク23:00)
土祝 18:00~23:30(L.O. 料理 22:00 ドリンク22:30)
平均客単価 6,500 円
テーブル 18 席、カウンター 6 席、個室 6 席

「2019年8月現在」

最新ニュースや商品情報、イベントのご案内などを希望される方へ

関連記事

  1. 小澤 和幸 さん(朝日屋酒店)プロフィール画像

    小澤 和幸 さん(朝日屋酒店)

  2. 村山和恵(ムラヤマカズエ)さん

  3. 高橋 智章さん・高橋 麻子さん(「トリとヤサイとサケ ともや…

  4. 池田 正博(イケダ マサヒロ) さん

  5. 大寺 香織 さん(畑々)

  6. 佐藤宏幸(サトウヒロユキ)さん