モダンな飲食店がひしめく恵比寿エリア。2010 年開業の「吉乃坐」は恵比寿駅より徒歩 6 分、広尾駅より 8 分、大通りから1 本入った露地の 1 階にあります。入り口すぐ横には個室、メインの客席は一列に奥へと長く続き、その対面にはオーブンキッチンのカウンター席。木目調で、浜松の染色家 山内武志氏による座布団やガラス作家の田井将博氏のペンダントライト、小鹿田焼の器などが温かみを醸し出しています。
店主で調理を担当するのは花輪成昭氏。1974 年熊本県生まれで、都内の和食店で経験を積みました。サービスを担当するのは、妻で山形県出身の明香さん。和食店のアルバイトで成昭氏と出会い、その後は美容師となり、マネジメント業務なども務めていました。開店当初は女将になるつもりではなかったそうですが、より上質な和食とお酒を提供していく方向を目指すにあたり、サービスもアルバイト任せではなく、’13 年から店に立つようになりました。
自分自身のスキルアップのために唎酒師の資格を取得した明香さん。ゆくゆくは故郷にも店を開くのが夢で、その際に資格が役立つのではないかとの考えもあったそうです。
「私は飲食のプロではありませんでしたが、お酒全般が好きで、休日は二人で食べ歩きをしていたのと、接客自体は慣れていましたので。故郷である月山の麓、西川町の町おこし活動に関わっているため、当店でも積極的に地元食材を使っています」
店のキャッチコピーは“地のもの酒処”。熊本と山形を軸に、日本各地の地のものと地酒を提供することで、旅するように楽しんでほしい、栄養価の高い旬の食材で英気を養ってほしいとの思いがあります。