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今から約1300 年前の「大宝律令」という法律の中に、上戸(じょうご)・下戸 という言葉が登場するんじゃ。
当時、青年男子が8 人以上いる家を【大戸(たいこ)】6〜7人の家を【上戸】 4~5人なら【中戸】 3人以下なら【下戸】と定められて、徴税の基本とされておった。
婚礼の祝いに割り当てられる酒の量も、それによって決まったんじゃ。現在、酒飲みかどうかを表す【上戸】【下戸】という言葉は、この時代の言葉が基となっておる。【上戸】には「酒をたくさん飲む人」という意味もあるんじゃが、より大酒飲みは【大戸】と言うこともあるのぉ~。
「泣き上戸」「笑い上戸」の【上戸】という言葉は、ほかの言葉の下に付けて、酒に酔った時に出る癖を表す場合にも使うんじゃよ。
大工はノミを左手に持つことが多いから、「ノミ」に「(酒)飲み」をかけて、「左利き」と言えば酒飲みを指すようになったと言われておる。
中世の女房詞(※)で「酒」のことを「ササ」と言うておったのじゃが、その「ささ」に「笹」をか けて「笹に虎」の絵を連想するからだという説がある。そのほか、寅の刻(現在の午前4時ごろ)まで酒を飲んでいるからとする説もあるのじゃ。
※女房詞(にょうぼうことば)=室町時代初期ごろから宮中の女官たちが使った一種の隠語
FBOメールマガジン【酒仙人直伝!お酒をめぐるイイ話】Vol.1 「お酒を飲めない人を下戸というわけ 」より(2017/6/23配信)
【参考】『日本酒百味百題』監修:小泉武夫(柴田書店)【注意事項】・記事、データ等の著作権その他一切の権利はNPO法人FBOに帰属します。・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください