Vol.1 お酒を飲めない人を【下戸】というワケ

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お酒を飲めない人を【下戸(げこ)】というワケを教えてしんぜよう。
お酒をめぐるイイ話 01 バナー画像

今から約1300 年前の「大宝律令」という法律の中に、上戸(じょうご)・下戸 という言葉が登場するんじゃ。

当時、青年男子が8 人以上いる家を【大戸(たいこ)】
6〜7人の家を【上戸】
45人なら【中戸】 3人以下なら【下戸】と
定められて、徴税の基本とされておった。

婚礼の祝いに割り当てられる酒の量も、それによって決まったんじゃ。

現在、酒飲みかどうかを表す【上戸】【下戸という言葉は、この時代の言葉が基となっておる。
【上戸】には「酒をたくさん飲む人」という意味もあるんじゃが、より大酒飲み大戸】と言うこともあるのぉ~。

下戸と大戸

「泣き上戸」「笑い上戸」の【上戸】という言葉は、ほかの言葉の下に付けて、酒に酔った時に出る癖を表す場合にも使うんじゃよ。

お酒をめぐるイイ話 01_02

酒飲みのことを「左党」「左利き」と言う

大工はノミを左手に持つことが多いから、「ノミ」に「(酒)飲み」をかけて、「左利き」と言えば酒飲みを指すようになったと言われておる。

左利きとノミ

酔っ払いのことを「とら」と呼ぶ

中世の女房で「酒」のことを「ササ」と言うておったのじゃが、
その「ささ」に「笹」をか
けて「笹に虎」の絵を連想するからだという説がある。
そのほか、寅の刻(現在の午前
4時ごろ)まで酒を飲んでいるからとする説もあるのじゃ。

虎の絵と寅の刻

女房詞(にょうぼうことば)=室町時代初期ごろから宮中の女官たちが使った一種の隠語

FBOメールマガジン【酒仙人直伝!お酒をめぐるイイ話】
Vol.1 「お酒を飲めない人を下戸というわけ 」より(2017/6/23配信)

【参考】『日本酒百味百題』監修:小泉武夫(柴田書店)
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