山岸 裕一 さん(玉城屋)

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1982年新潟県生まれ。
大学卒業後、調理師学校に入り、在学中より「日本料理 松下」で修業。リクルート経理統括室など企業で働いた後、2016年家業を継ぐ。’18年、姉妹宿「BAR&HOSTEL醸す森【kamosu mori】」を同地に開業。唎酒師、酒匠、日本酒学講師などの資格を持つ。
第5回世界唎酒師コンクールファイナリスト。

フレンチと地酒、細やかなサービスで国内外より集客。

 雪深い新潟十日町。ブナの美人林や棚田などの里山風景、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の開催、インスタ映えする清津峡谷トンネル、魚沼コシヒカリに銘酒等、さまざまな魅力を擁する土地です。古来よりこんこんと湧く「松之山温泉」は有馬温泉、草津温泉と並ぶ日本三大薬湯で、10軒の旅館が山間に立ち並んでいます。
 その1軒、1911(明治 44)年開業の「玉城屋旅館」は、2016年に就任した四代目オーナー山岸裕一氏が現代のニーズにフィットさせるべく大胆なリノベーションを実施。座敷だった食事処は和モダンなダイニングに変え、東京の一流フランス料理店で修業した栗山昭氏をシェフに迎えて、山菜やジビエ、日本海の魚介などを生かした「里山キュイジーヌ」を提供。旅館名を「酒の宿 玉城屋」として、唎酒師である山岸氏が選んだ日本酒やワインをペアリングさせるスタイルを打ち出しています。

中でも日本酒は地元産を中心に100種を用意しており、料理との相性重視のペアリングプラン(7 種)から、たくさん試してみたいというビギナーに向けてペアで 9種(3合程度または同量で18種)を提供するプランまであります。炭酸ガスを注入したり、柑橘やスパイスを少し加えたり、温度帯や酒器など、個々のお客様に合わせて臨機応変にサービスしています。
 最近はアジアや欧米などインバウンドゲストも増え、中にはリピーターもいるそうです。
「海外からの方には、杉のおちょこなど日本的な酒器が喜ばれますね。薫酒や長期熟成酒の反応が良いため、ペアリングに組み込むようにしています」
と語る、山岸氏。

日本酒ナビゲーター養成講座、飲み歩きイベントに尽力。

 日本酒の PR 活動は同宿だけに留まりませ。’18年には十日町市より施設を買い取り、バルとしても気軽にお酒と料理が楽しめる姉妹宿「BAR&HOSTEL 醸す森【kamosu mori】」を開業。山岸氏は 2019 年に世界唎酒師コンクールのファイナリストとなり、また同時期に「第 4 回旅館甲子園」(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部主催)で同宿がグランプリを受賞したこともあり、松之山温泉組合における新世代のリーダーとして期待され、今や組合が一丸となって「醸す温泉街」宣言を掲げるにいたっています。その一例として、山岸氏は日本酒ナビゲーター養成講座を開き、東京の大学生のゼミや地元の宿の従業員養成などのために日本酒の知識と魅力を伝えています。
「閑散期対策として 2 月には、温泉組合の旅館や飲食店が 1 品料理を提供し、それに合う地酒を私が選び、お客様はチケット制で食べ飲み歩くという趣向の“松之山温泉ふぇすてぃ BAR”を開きました」
 同館から一番近い蔵元の苗場酒造とコラボレートし、一般的な新潟の酒のイメージと異なる、フルーティーで酸味のあるオリジナルの日本酒「kamosu mori」を作ったところ好評のため、蔵元から一般売りも行うなど、各方面でウインウインの関係に成功しています。また、最新ニュースとして『ミシュランガイド新潟 2020 特別版』で 1つ星受賞のうれしい知らせが届きました。

客室は10室でうち4室が源泉かけ流し温泉風呂つき。写真は一番高級な特別室で1泊2食つき2名7万7,000円〜。ベッド脇の照明のシェードは升でできている。
日本酒ナビゲーター養成講座の様子。
「世界唎酒師コンクールに出場したことで、私自身の意識が高まったことに加え、地元での注目が上がったことや、出場者同士での交流が生まれたことをありがたく思っています」。

玉城屋

新潟県十日町市松之山湯本13 
☎︎ 025-596-2057 
https://www.tamakiya.com/
主に火・水休 
ディナーコース 1万1,000円 
1泊2食つき 1万1,000円~3万8,500円   
(平日1部屋2名様ご利用、入湯税別) 
28 席

「2020年9月現在」

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