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甘口の日本酒は甘くて、辛口の日本酒は辛いと思っておる人が多いかもしれんが、実はそうではござらぬ。「甘口」のお酒が必ずしも甘く感じるわけではないのじゃ。このテーマについて、わかりやすく解説いたすぞよ。実はな、「甘口か辛口か」を分ける基準になっておるのは、その酒が水より重いかどうかで決まる「日本酒度」というものなんじゃ。
甘味のもととなる糖がたくさん含まれておれば、酒は水より重くなって日本酒度はマイナスになる。逆に糖が少ない酒は軽くなり、日本酒度はプラスになる。
しかしな、「日本酒の味が甘いか辛いか」というのは、含まれている糖の量だけで決まるわけではないのじゃぞ。日本酒には糖以外にも、アミノ酸やコハク酸など、いろんな成分が含まれておるから、糖が多いからと言って甘口とは一概には言えん。
味を感じるときに、糖と同じように大切な要素は酸味じゃ。人間の舌は甘味と酸味のバランスで甘辛を判断しておるから、糖がたくさん含まれている酒でも、酸が多ければ辛く感じるし、逆に糖が少なくても酸も少なければ甘いと感じるんじゃ。
甘口の酒は、アミノ酸などの旨味成分の多い酒と考えるとよい。それから、飲んだときの味の印象は、香りも大きな役割を持っておる! 甘い香りの酒は、どんなに日本酒度がプラス(辛口)でも、飲んでみると甘く感じるものなのじゃ。奥が深いのぉ〜。
まずは先入観を捨てて、「香りが華やかですっきりしたタイプ」とか「酸味がそこそこあって、旨味のあるタイプ」のように、お店の人に注文してみてはどうじゃろ?
【参考】『日本酒百味百題』監修:小泉武夫(柴田書店)【注意事項】・記事、データ等の著作権その他一切の権利はNPO法人FBOに帰属します。・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください