「ひやおろし」とは江戸時代頃から行われている製法の名じゃ。冬に仕込んだ酒を春先に火入れ(低温加熱殺菌)して大桶で貯蔵し、夏を超えて外気と酒の温度が同じになった秋頃に、火入れをせず「冷や」の状態で、小樽に「卸して」出荷したものを指しておった。
半年ほど寝かせたことで、飲み口や味わいがまろやかに変化しており、「秋あがり」や「秋晴れ」といった情緒的な呼び方もされておる。
また、秋刀魚、戻り鰹、キノコ類といった旨味の多い秋の食材とも抜群の相性を示すとともに、燗酒にも向く。
まさに秋ならではの日本酒という訳じゃよ。