Vol.31 蔵人の長「杜氏」とは?

この記事を読むのに必要な時間は約 3 分28秒です。

皆の衆は、杜氏や蔵人の役割について知っておるかの?

お酒を造る蔵人の長が「杜氏」

杜氏の流派(2017年現在)

日本酒を楽しむときには、そういう言葉を知っておると、よりいっそう味わいが深くなるのぉ。では教えてしんぜよう。お酒を造る人々を蔵人というのじゃが、その蔵人をまとめる人、つまり、その蔵人達の長を杜氏(とじ、またはとうじ)というんじゃよ。

杜氏は、もともとは刀自(とうじ)と記したんじゃが、これは家事全般を仕切る主婦を指し、働く男を指した刀禰(とじ)の対語であったようじゃな。
かつて酒造りは女性の役目だったんじゃが、産業としての酒造りが主流になる中、力作業が多くなり、男手に代わっていったのじゃよ。また蔵内の風紀を保つためにも、酒造りの現場が「女人禁制」になっていった。そして全国各地にさまざまな流派を持つ杜氏が誕生し、岩手県の南部杜氏、新潟県の越後杜氏、兵庫県の丹波杜氏が三大杜氏と呼ばれるようになったのじゃ。

現在、日本酒造杜氏組合連合会に所属するのは18の組合

江戸時代から三大杜氏以外の流派は多数存在しておったのじゃが、解散や統合、オーナーや社員が杜氏を務めるようになったことで、現在、日本酒造杜氏組合連合会に所属するのは18の組合だそうじゃ。ただし、本組合に所属していない杜氏集団も存在するので、お忘れなきよう!
また、杜氏以外にも杜氏からの指令伝達や蔵人の指揮を執る「」や、麹室の仕事一切を行う「大師」または「麹師」、醪仕込みなどを行う「酛廻」または「酛師」など、いろいろな役職と役割分担があるぞよ。

蔵人にはいろいろな役割がある

どうじゃな? 日本酒造りもなかなか奥深いじゃろう?
日本酒の原料や作り方、味わいなどを学ぶのも楽しいのじゃが、こういった内部のことも知っておくと、より一層日本酒が好きになりそうじゃな。

【参考】『新訂 日本酒の基』『酒仙人直伝 よくわかる日本酒』(NPO法人FBO)、日本酒造杜氏組合連合会 HP

【注意事項】
・記事、データ等の著作権その他一切の権利は
NPO法人FBOに帰属します。
・記事・データ等は予告なく変更する場合がありますのでご了承ください『焼酎の基』

最新ニュースや商品情報、イベントのご案内などを希望される方へ

関連記事

  1. Vol.7 父の日のプレゼントには日本酒がおススメ!

  2. Vol.36 まもなく…

  3. Vol.33 東京で造られる焼酎?

  4. Vol.20 花から採った酵母で造った日本酒が、増加中!

  5. Vol.12 焼酎は、なぜ「夏の酒」なのか

  6. Vol.28 ハロウィンにピッタリのワインとは