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日本酒を楽しむときには、そういう言葉を知っておると、よりいっそう味わいが深くなるのぉ。では教えてしんぜよう。お酒を造る人々を蔵人というのじゃが、その蔵人をまとめる人、つまり、その蔵人達の長を「杜氏(とじ、またはとうじ)」というんじゃよ。
杜氏は、もともとは刀自(とうじ)と記したんじゃが、これは家事全般を仕切る主婦を指し、働く男を指した刀禰(とじ)の対語であったようじゃな。かつて酒造りは女性の役目だったんじゃが、産業としての酒造りが主流になる中、力作業が多くなり、男手に代わっていったのじゃよ。また蔵内の風紀を保つためにも、酒造りの現場が「女人禁制」になっていった。そして全国各地にさまざまな流派を持つ杜氏が誕生し、岩手県の南部杜氏、新潟県の越後杜氏、兵庫県の丹波杜氏が三大杜氏と呼ばれるようになったのじゃ。
江戸時代から三大杜氏以外の流派は多数存在しておったのじゃが、解散や統合、オーナーや社員が杜氏を務めるようになったことで、現在、日本酒造杜氏組合連合会に所属するのは18の組合だそうじゃ。ただし、本組合に所属していない杜氏集団も存在するので、お忘れなきよう!また、杜氏以外にも杜氏からの指令伝達や蔵人の指揮を執る「頭」や、麹室の仕事一切を行う「大師」または「麹師」、醪仕込みなどを行う「酛廻」または「酛師」など、いろいろな役職と役割分担があるぞよ。
どうじゃな? 日本酒造りもなかなか奥深いじゃろう?日本酒の原料や作り方、味わいなどを学ぶのも楽しいのじゃが、こういった内部のことも知っておくと、より一層日本酒が好きになりそうじゃな。
【参考】『新訂 日本酒の基』『酒仙人直伝 よくわかる日本酒』(NPO法人FBO)、日本酒造杜氏組合連合会 HP
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